　ついに水の木源流へ、、、
　女房に助けてもらって、何とか起床。久しぶりに、４時に間に合いそうだ。このところ毎日残業が続いているのに、なかなか寝付けない。今日も睡眠は、わずか１時間。渓流で寝ればいいやと、とりあえず出かけた。
　浅瀬で着替えを終え、小屋へ行こうとしたとき、見慣れた軽自動車が止まった。漁協のＭさんだ。事情があって、最近は小屋ではなく駐車場で釣り人と交流しているらしい。いろいろな情報を教えていただいているうちに、気がつけば４時を過ぎてしまった。話に切りをつけ、慌てて小屋へ。
　今日も監視員は件のマイク氏、こちらからおはようございますと丁寧に挨拶。「年券ですか？」組合員だが、ハイと答える。ベストの背中に入れてあるので、ザックを脱いで見せる。「見えないけど、いいや」、、、今日は何故か親切だ。
　林道を歩き始めて気がついたが、今日はどこに入るんだっけ？ボードにマークするのを忘れたので、また戻る。さて、沢割りボードだが、本流系は樅ノ木、金山上流、水の木ドコモ小屋、大棚、パイプ堰堤。大又沢系がセギノだけ。本水の白石沢に入ろうかと、マークする。だが、マイク氏が熊が出ていると教えてくれたので、怖くなり本流系に変更。結局、水の木沢の源流への、初釣行となったのだ。
　その後の情報では、大又ダムで大きな熊が目撃されたとか。早く山奥に帰ってほしいものだ。

　やっと来た、、、
　４時１０分、林道を歩き始める。前を何人か歩いていると思うと、それだけで心強い。快調に傾斜の強い林道を過ぎ、水の木取水まで１時間。その先で２人組に追いつき、話をしながら歩く。一人はパイプ堰堤で、もう一人は水の木橋で別れた。
　大洞橋に５時５０分。ドコモ小屋の少し上流で釣っている先行者を、確認。廃道の面影の残る荒れた道を、どんどん進む。道が大きく右にカーブする地点、赤いリボンが入溪場所だ。到着６時１０分、ちょうど２時間の林道歩きだった。
　人気が高いので、いつも真っ先に取られてしまう渓だが、やっと念願かなって竿を出せる。それだけでも、自分の中では小さな感動がある。もう二度と来れないかもしれないし、ただ楽しもうと思うのだ。着替えていると、思ったより冷える。夏用のシャツでは寒いので、レインウェアを着る。６時半、いよいよ第一投だ。
　
　魚影が濃い、、、
　小さな落ち込みに仕掛けを入れると、すぐに魚信。５、６寸クラスだが、落ちた。その後も、どのポイントでも黒い魚影が走り回るのが見える。掛かるのは５寸クラスばかりだが、さすがに活発な魚信は楽しく、夢中になってしまう。
　８時過ぎ、小さな滑の落ち込みの下、大きな魚影が見える。チビメをひとつ釣って、第2投で、食った。これはいいサイズ、水面近くでバレてしまったが、逃げた魚の口の大きさがしばらく頭から離れなかった。
　8時40分、小さな滝だ。なかなかのポイントだが、魚信なし。右から、すぐに越せる。すぐに、次の滝。斜めに切れ込みの入った、特徴ある姿。写真では何度か見たが、ついにこの足でやって来たのだ。好ポイントだが、相当いじめられているようで、魚信はなかった。右（左岸）のＶ字の岩溝を登って、滝を越える。帰りはちょっと、怖そうだ。
　滝の上流は、少し流れが狭くなっていて、淵も深い。右の岩の上を歩いて越し、上流から竿を出す。すぐに、魚信。やっと、キレイな良型を掛けた。
　その先で左から沢が合流すると、沢は傾斜を増し始める。ガレっぽいので、伏流しているのか水が減った感じがする。10時45分、次の滝。日が差し込んできて、なかなかキレイだ。粘ってみたが、良型は釣れなかった。11時、ここで納竿。この滝は、どちらから巻くのだろう。いずれにしても、厳しそうだ。
　休憩して、脱渓を開始。川通しで45分、入溪場所まで戻る。林道歩きの途中、気になっている沢を、少しだけ探釣。小さなポイントごとに、活発な魚信。サイズはそれなりだが、これも結構楽しい。30分ほどやってみたが、なかなかの沢だった。

　バテバテ、、、
　昼を過ぎて、気温は急上昇。この時期、林道歩きは苦痛となる。睡眠不足のせいなのか、暑さに参ったのか、珍しくバテバテになってしまった。どこかで1時間ほど、眠りたい。それよりも、早く帰って家で寝た方がいいか。小まめに休憩を入れ、少しづつ帰ってくる。
　山百合橋の少し上流、砂利の山に腰掛けて休憩。林道を降りてきた人に、声を掛けられた。その理知的な笑顔、ボッカ並の体力。横浜のＫ海さんだ。朝会った釣り人が、4時組にすごい足の速い人がいたと言っていたが、この人だったのか。
　水の木の作業道について教えてもらい、次に行くときに確認してみようと思った。やはり情報を多く持っている人が、これからの世の中で勝つ人なのだ。座っていても家に近づかないから、Ｋ海さんに連れられて歩き始める。
　川崎の美食家のＫさんの話題で盛り上がり、Ｕさん（通称：鬼隊長）が来ていないことに不思議がり。辛い林道歩きも、Ｋ海さんに引っ張られ何とか小屋まで戻れた。後で聞くと、東名でＵさんと遭遇し、海老名ＳＡでお茶して帰ったとか。目立つ車に乗っていると、いいこともあるんだなぁ。