5月21日(月) 金山沢
 休んで、、、
 本当は昨日釣りに行って、今日の休みは休養と雑事を済ませようと考えていたのだが、昨日起きれなかったせいで今日行くことに。平日の釣りは、優越感と後ろめたさが入り混じった複雑な気分。
 番小屋に5:02、さすがに4時に入ったのは一人だけ。前回、雨で中止した水の木取水から入ろうと思っていたが、これだけ空いていると気も変わる。久しぶりに、人気の金山沢に入ってみることに。菰釣橋を目指して、一人林道を歩き始めた。
 この前テレビで見たが、歩く姿勢が大切らしい。背筋を伸ばして、腰から前へ出す感じがいいとか。確かにこうすると、視線も上がっていい感じ。さらに、心もち内股で歩いてみる。小学校のとき先生が、足が速い人はみんな内股だ、巨人の柴田を見てみろ、と言っていたことを思い出す。そうすると何となく力が地面に伝わっていく気がして、急坂もへたばらずに登って行けた。
 水の木取水が6:05、ちょうど1時間。、、、前回と変わってないじゃん。途中、一度休憩して、菰釣橋には6:45。支度して、釣り始めたのは7:00ちょうどだった。

 渓流を独占、、、
 これから数時間は、仕事も、家庭も、金も人間関係も、煩わしいことは何も考えなくていい時間だ。野藤の甘い香りに満ちた、新緑の渓流をしばらくは独占できる。一言で表現すれば、、、自由だぁ!
 7:12、まずはイワナ。やはり噂どおり、金山もイワナに席巻されつつあるようだ。7:21、今度はヤマメ。いずれも、小さい。その後、19センチのイワナを釣り落とし。
 それにしても、落ち込みが続く好渓だ。遡行は楽だし、枯れ枝に気をつければ、仕掛けを取られることも少ない。
 9:00、二又に着く。右は倒木が邪魔していて、入っていく気にならない。左を釣り上がると、すぐに上流で合流する。ここで、空腹を感じ休憩。太陽が差し込み、明るく暖かい。コンビニで買った、最近のお気に入りのパンをかじる。こだわりパン工房のクッキーチョコパイが好きだが、車で食べるとひどいことになるので注意。パンを口に運ぶたびに漂う異様な匂い、キジをたっぷり吸った手袋が原因だ。この香ばしさにもノスタルジーを感じてしまう私は、Mだろうか。
 
 九死に、、、
 9:50、川の底石が何やら赤くなってくる。石自体の色ではないから、堰堤工事に使われた鉄分の影響だろうか。何だか、いやな色だ。
 右の山の斜面に柵が見えてくると、すぐに左にカーブして堰堤。堰堤の下は、大物が潜んでいそうないい感じのポイント。何度も流すが、掛かったのはチビメだけだった。
 以前に来たときは、確か右から巻いた気がするが、降りる場所が分からなくて苦労した気がする。左から巻けると聞いた記憶があったので、今日は右岸側から越えることにして、10:43高巻き開始。
 堰堤の脇を直登していくが、踏み跡がはっきりしない。もう少し下流から斜めに上がった方がいいのか、、、。堰堤の高さまで上がって、あと2mまで来たとき。木の枝にザックが引っかかった。ザックの外に付けている竿ケースが、枝に掛かって上がれない。ほとんど垂直の斜面で、足元も滑りやすい状況。手がかりは1本の直径5、6cmの木だけだが、案外しっかりしていそうだ。左手から右手に木を持ち替えて、左手でケースに引っかかった枝を外そうと力を入れた瞬間、、、右手に握った木がバキッと折れた!うわぁー!体が一瞬フワッとした、、、。
 そのまま後ろに落ちていたら、後頭部を数m下の石に強打、こんなレポどころではないはずだった。だが、何とか持ちこたえていた。気がつくと、息は荒く、汗が噴出している。這うように斜面を登り、堰堤を越えてから確かめると、左腕に多数の擦過傷。小指の先はパックリ切れて血が流れていた。無意識に、何かを左手で掴んだようだ。高巻き用にケプラーの軍手を持っているのに、使わなかった罰だろうか。
  
 もう少し、、、
 堰堤の上流に、すぐに小さい滑滝。滝下の深みは、魚信が活発だ。もしかして、この区間にはあまり人が入っていないのか。少し緊張して、太い仕掛けを出す。
 傾斜もあり、深いポイントが続く。すぐに通らずが現れるが、何とか右岸が上がれそうだ。だが、先ほど怖い思いをしたので、無理せず小さな沢を登って行くことにした。適当に植林帯へ入ると、今度は降りる場所が分からない。すぐ上流に次の堰堤が見えるので、そこまで行ってみることに。堰堤の手前の小沢を降りていくと、難なく降りられた。堰堤は後回しにして、先ほどの通らずの上まで釣り下る。立派な滑滝があり、その下でヤマメ。また堰堤まで戻り、堰堤下を攻めるが魚信なし。
 12:20、納竿。着替えして、小用を。こんなときは、一物を引っ張り出すなんてことは粋じゃない。パンツまでサッと下ろし、豪快にやるのが気持ちがいい。一言で表現すれば、、、俺は男だ!

 朝は涼しかったのに、既に陽気は初夏。林道は若葉が覆って影を作ってくれるので、快適だ。木漏れ日の中、帰路を急ぐ。途中、登山が2人、釣りが1人とすれ違った。番小屋まで、1時間50分。バテることもなく、気持ちよく歩けた。
 車に着いてつくづく思ったこと、、、死なないで、よかったなぁ。


チビイワナ、、、
第一堰堤上流、、、
金山沢は人気の好渓
やっとこれ、、、
第2堰堤、、、
林道歩きも、また楽し